第一章・怪しい投資の話

#1 ある日、弟が投資の話を持ち帰ってきた

投資に関して興味を持ち始めていた頃

2011年春。
当時の私は20代の後半。
お金に余裕があるとはいえないサラリーマンの収入でしたが、少しずつ預金も進めてある程度まとまったお金が蓄えられていた頃でした。

金利の低い世の中です。
貯金や預金だけでは蓄えることはできますが、増えていくことはありません。
“貯金や預金の金利だけで生活ができる”そんな時代も過去にはあったようですが、きっともう2度とそんな時代はやってこないでしょう。
だとしたら、自分で何かを始めてどうにか少しでも生活がよくなるようにしなければならない。
そう考えるようになりました。

何か方法はないだろうかと、ブログアフィリエイトを始めてみても上手くいかずに挫折をし、自分のスキルを活かしてネットでお仕事を受注しようとホームページを立ち上げて頑張ってみるものの不発。
結局何をやってもうまくいかないなと打ちひしがれる日々(それは今もあまり変わってはいませんが^^;)でした。

色々と手を付けてみた中で、「投資」というものにも興味を持ち始めていました。
ですが投資の知識なんて全く持っていません。
何からやれば良いのかも知りませんし、どうやってやっていくのかも知らない全くの初心者です。
投資に関して興味は持っていたものの、怖くてその次の一歩を始めることができずにモヤモヤとした感情を抱えながら過ごしていました。

弟から投資を始めたという話を聞かされた

ある日、隣県で一人暮らしをしていた弟が実家に帰ってきました。
自宅のリビングでくつろぐ弟は、タイミングを見計らったように「投資を始めた」と話し始めました。

「え?弟が?自分よりも先に投資を始めた?」
私も投資に興味を持ち始めていたタイミングではありましたが、弟に先を越されてしまったことに兄としての焦りを感じ、内心穏やかではありません。
しかも何やらとてもテンションが高く、揚々と息巻いてその投資に関することを伝えてきました。

実は弟も投資に関して興味を持ち始めていた頃だったようです。
会社員としての所得も私よりも若干上だった弟は一人暮らしをして自由を楽しんでいました。
かといって、一人暮らしをしているので何かとお金が入り用で、「もっとお金欲しい」とも思っていたようです。

そこで行き着いたのが「投資」でした。
そして投資に興味を持ち始めた弟は「FX」を手始めに取り組んでみようとしていたようです。
私も「FX」という言葉とそういう取引方法があるということは言葉としては知っていましたが、負けると大損するという話もネットで調べて知っていたので、「あーそれはやめておいた方がいいやつだな」と感じて、頭の中から外しておいたものでした。

全ての悪夢はここから始まった

弟は「FXを始めてみようと思うんだけど・・・」という話を、親しい友達にこっそり相談していたみたいです。
そしたらその友達からこういう返事が来たそうです。
FXよりもいい投資先があるよ!よければ相談に乗るよ!」と。
これが悪夢の始まりでした。

弟はこの友人と会い、話を聞き、納得した上で契約を交わし、投資を始めました。
しかしながら、この「〇〇よりもいい投資先があるよ!」とか「よければ相談に乗るよ!」という甘い言葉。
冷静に考えればこの時点で怪しいですよね?
ところが何故か冷静に考えることができなくなってしまうのが怖い所です。

私自身、冷静であるならば「絶対に」怪しいと感じるこの決まり文句です。
それなのに、蟻地獄のようにそこに吸い込まれてしまう悪魔がそこには潜んでいました。

弟は実際にどんな内容の話を持ち帰ってきたのか・・・
それは次のお話で。

>>次の話へ(#2 その投資話は家族全員で怪しいと疑ってかかった)
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