第一章・怪しい投資の話

#6 ネットワークビジネスの入会金の振り込み

入会金21万円を振り込み会員になりました

契約書にハンコを押して後日、入会金(入学金)の21万円の振り込みをしました。
21万円。
高い買い物だなー・・・。なんて呑気に思いながら振り込みをしました。
そして、「振り込んだことが知りたいので明細書と紙に一文を添えて会社にFAXしてください」という変な要望があったので、振り込み完了のFAXを流しました。
通帳に記帳される名前と一致するかどうか本人確認するためなのでしょうか?
とてもアナログな確認方法でした。

後日、会社より入学完了のお知らせの通知と各種書類が封筒で届きました。
2011年4月末のことでした。
同封されていた書類の中にパンフレットが入っていて、このパンフレットの内容は先日もらったものとほぼ同一のものだったのですが、大きな違いとして見てとれるのは分かりやすいところに「投資先の斡旋は一切致しません。」と書いてあることでした。

「投資に関しては商品として勧めておらず、会員同士が自主的に使っているもの」というスタンスで通したいのだろうなということを感じ、「めっちゃグレー・・・、限りなく黒に近いグレー。」と思いましたが、「お金を増やしたい」という欲に負けて目を瞑りました。
投資商品が勧誘の目玉のはずです。
「お金の勉強」ができるということは確かに大事ですが、それは二次的なもので「お金が欲しいから入会した」の方が、欲望としては大きいです。

もし「お金の勉強」だけの商品で入会金が21万円要りますと言われて、入るでしょうか?
訴求力が弱すぎて、それほど魅力的に感じないのではないでしょうか?
私なら入りません。
めちゃくちゃ魅力的な勉強できる商品があるなら、それを第一にプレゼンしてくるはずです。
でも魅力的に映るようにプレゼンされたのは投資商品に関してです。
そっちの餌に食いつきますよね?釣られますよね?
釣られました。
ですがこの会社はあくまでも「お金の勉強」がメイン商品であることとして謳っていました。

他に同封されていたものは、会員IDとパスワードなどが記載された書類でした。

「お金の学校」とはうまく考えたなと今でこそ関心します

日本の学校教育ではお金の知識が身につきません。
今の学校の勉強がどんな感じなのかは正直わかりませんが、私が子供の頃の学校教育では間違いなくありませんでした。
ですので、社会人になってからもお金に対してできることといえば、預貯金くらいしかありません。
あとは自己投資と呼ばれる、自分に対して本を買ったりだとか、趣味や勉強したいことに対してお金を使うことくらいでしょうか。
散財するもしないも個人の自由ですので、貯めるのも使うのもあなた次第です。みたいな感じですよね。

私が23歳の頃、同じ会社の年上の男性社員の方から「株式投資をしているよ」という話を聞きました。私よりも5つくらい上だったでしょうか。
当時は株式投資ですらなんなのかよくわかっておらず、株主優待が家に届くという話も聞きましたが、「え?だから何??一体なんなの?」とさっぱりでした。
20代後半になった頃、やっと投資に興味を持ち始め、株式投資がどういうものかわかり、株主優待ももらえると楽しいよね、嬉しいよねっていうことが分かりましたが、そのくらい知識が入ってくるのが遅かったです。

ちょうど投資に関して興味を持ち始めた頃に、この「お金の学校」に出会ったので、運が良くも悪くもタイミングがぴったりでした。
営業トークで「日本人はマネーリテラシーが低い」ということも何回か言われて、本当にその通りだよなと同意していました。
ですので、お金について勉強できるということが自分には魅力的に映ったことも事実です。

(今の20代の方々はYouTubeやWebサイトなどからお金についての情報を仕入れたりしているのでしょうか?
コンテンツも10数年前より非常に充実しているなと感じます。
暗号資産も生まれましたし、若くしてFIREしたいなんていう方もみえるようです。
人から騙されないためにも、お金に関する知識はとても大切になってきますので、どうか勉強してくださいね。
何も知らないということも簡単に詐欺被害に遭ってしまう原因になります。)

早速合わせたい人がいると、紹介された人が2人

入会してしばらく経ってから、「紹介したい人がいるのだけど、会ってもらえませんか?」と連絡が来ました。
ネットワークビジネスに入ると、こういった「紹介したい人がいる」という話が出てくるのも基本中の基本です。
場合によっては別の案件のカモにされてしまうこともあるので非常に注意が必要です。

<1人目>

平日の夜、夕食を自宅で済ませてからとある場所へ向かいました。
アドバイザーの方と合流し、連れていかれたのはとある事務所。
そこで紹介されたのはファイナンシャルプランナーのYさん。

話を聞いていると紹介された理由が分かりました。
同じ高校出身の同級生でした。
・・・まったく覚えていません。
1クラス40人くらいいてそれが10クラスあったのですから、正直自分に近いところにいる人しか覚えていられません。
初めましてと同じでした。

そんなYさんですが、自営業でFPをやっていて事務所を開いておられました。
このあと数ヶ月に渡り、この事務所で何度か話を聞いたりすることになるのですが、友達になれるようなタイプではないなと思いました。
雰囲気がなんか違うなっていうのと、背景が見えてこないのでどうにも信用できないなというのと。
特に嫌だなと感じたのは「おすすめの本があるんだけど100円でレンタルね」と言われたことでした。
「冗談で言っているのか?」「からかわれているのか?」「バカにされているのか?」とイラッとしましたが、読んでみたい本ではあったので、100円出して借りました。
その時の笑っていた顔が今でも思い出されます。
そういう反応をされた、という印象が強く残り、表面上の付き合いはできても心までは許してはいけないタイプだなと感じました。
借りた本は良いものでしたので後々自分でネットで買いましたけれども、本を見るたびに彼の微妙なエピソードが思い出されます。

そして彼自身はこのネットワークビジネスはやっていないよと言っていました。
彼とアドバイザーがどういう関係性でどこで繋がったのかさっぱりわかりませんでした。
私が紹介されたのは私が顧客になるかもしれないという理由からだったのかもしれません。

結局彼とは仕事をすることはありませんでしたし、深い関係性になることもなく一切の関係を断ちましたので、今どこで何をしているのかもさっぱり分かりません。
もう二度と会うこともないでしょう。

<2人目>

次に紹介されたのでアドバイザーのMさんでした。
彼は当時40代くらいだったでしょうか。中肉中背の中間管理職といった風貌です。
アドバイザーとしても階層が上の方にいる方でした。

その方と、私の弟と、弟にこのネットワークビジネスを勧めてきた友達と、私の4人での雑談会?のような感じでした。
正直、その方と何を話していたのかさすがに忘れてしまいました。
が、彼の若かりし頃の自慢話の数々を聞かされたのは覚えています。
正直帰りたかったです。
私の弟と、弟の友人は、Mさんのことをすごい人だと羨望の眼差しで見ていたようですが、私には「自慢話をして、若い子からすごいねって言われて喜んでいるだけのおっさん」にしか見えませんでした。
こういう大人にはなりたくない。そう思いました。
2時間か3時間くらいの雑談会でかなり疲弊しました。
その日も平日の夜だったのですが、帰宅した頃には日付も変わっていて、なんとも言えない暗い気持ちになりました。
Mさんと会ったのはその時の1度限りです。

紹介された二人に関しては、なんとも言えない後味の悪さしか残りませんでした。

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