第四章・詐欺と判明!首謀者は逮捕され多額の損失金が生まれた

#25 ネットワークビジネスに勧誘してしまった友人や知人とのその後の関係は良好?縁を切られた?

ネットワークビジネスを始めるとほとんどの方は紹介料欲しさに勧誘を始めると思います。
「商品が好きで、商品を買うためだけに入会した」という方を探す方が難しいのではないでしょうか?
たとえ商品が好きで入会したとしても「もしかしたら自分も勧誘活動したらうまくいくかもしれない」と、希望を抱くこともあるでしょう。

そんな時、問題になってくるのが勧誘した相手との関係性の悪化です。
基本的にネットワークビジネスは世間から嫌われていますので、勧誘すると拒絶されることがほとんどです。
ネットワークビジネスではなく、一般的な営業であったとしても相手との関係性が築き上げられて初めて成功する可能性が見えるというものに対して、ネットワークビジネスはそのイメージの悪さから尚更成功率は下がります。

なぜ悪いイメージがついてしまっているのかは、お話しするまでもなく皆さんご存知かと思います。
そうですよね?勧誘がものすごくしつこいですよね?
「またその話?」「またその商品の話?」というくらい何回も勧誘してきますよね?
もちろんそんな方ばかりではないことは知っています。
穏やかに営業される方も見えますし、必要以上に営業しない方もみえます。
ごく一部の、のめり込んでしまった限られた本当に一部の方の営業方法が目に余る感じなのです。
それによって悪いイメージがより鮮明についてしまいますし、時には事件となることもあります。

また、執拗な勧誘ということの他にも、このビジネスモデルそのものがあまり良いものではないという認識になっています。商品を扱っていると言えども、形としてはネズミ講と同じピラミッド形式です。
末端が損してしまうような構造なので「儲かるよ?」と言われても「そんな簡単な話ではない」です。
ですので、マルチの勧誘を受けると「ヤバいの来た」となってしまうのです。

「あの人マルチやってるから近づかない方がいいよ」
「あそこの家の人マルチやってるんだって。深く付き合わない方がいいよ」
と噂が流れることもあるでしょう。特に田舎なら、その話がすぐに広がってしまいます。

これらの悪いイメージによって、マルチの勧誘をすることによるダメージは計り知れません。
冒頭にも書いた通り「人間関係の悪化」はその最たるものです。

ここで、「私の場合はどうだったか」というのを経験を踏まえてお話ししたいと思います。

私の営業方針

営業方針なんていうと大それたものになってしまいますが、熱心に営業するつもりは元々ありませんでしたので断られたらすぐに身を引くということだけは最低でも守ることにしていました。
また、ネットワークビジネスの投資信託だったこともあり、半分くらい怪しいということをあらかじめ伝えることにしていました。
(だったら初めから伝えるなよ、と言われるのもごもっともなのですが、紹介料が付いたらいいなと思ってしまうと、ものは試しに・・・とやってしまうようになります。)

会社の同僚に話した時

<ケース1>
当時勤めていた会社の同僚に、お昼休みの休憩中に「最近投資を初めてみました。」という切り口から会話をしたことがあります。
話を聞いてくれそうな感じでしたので、
「ネットワークビジネスであること」
「運用成績は悪くないこと」
「でもどこか怪しさはあるけれども試していること」
そのようなことを触り程度に話したことを覚えています。
その方からは「投資はちょっと怖いね・・・」と、その場で優しく断っていただけましたので、それ以上は営業することはありませんでした。
職場での関係はその後も良好でした。
その方とは私が会社を辞めてからは接点がなくなってしまったので、今は連絡することはありません。
会社を辞めた理由は、仕事そのものと職場の雰囲気が理由です。
<ケース2>
職場をたまたま同じ時期に辞めた同僚がいまして、辞める理由もたまたま似通っていたため、辞める少し前に連絡先を交換して「お疲れ様でした会」をしました。
ほとんど接点のない同僚でしたが、職場の愚痴大会に花が咲き飲み会自体、楽しいものでした。
次の仕事の話になり、彼はもう次の仕事先を決めていたようです。
私はまだ何も決めていない状態でしたので、とりあえず今ネットワークビジネスをやっていて・・という流れから投資の話をさわり程度にしました。
「そういうのは興味ないかな」とその場でお断りいただけましたので、それ以上お伝えすることはありませんでした。
せっかくの飲み会だったのに、そんな話は聞きたくなかったと思われたかもしれません。
聞きたくない話を聞かされる時間ほどつまらないものはないので、会話の流れをもとの愚痴大会や趣味の話題に戻し、その日は最後まで楽しむことができました。
その後の関係はといいますと、後にも先にもその飲み会が最初で最後の飲み会でした。
今彼がどうしているのかは分かりません。
<ケース3>
職場を辞めてから、つなぎでパートとしてつなぎで働いていた職場があるのですが、そこでも1人にだけゆるく伝えてみたことがあります。
もともと話す予定もなかったのですが、なぜか会話の流れが生活費だったか家計の話になったので「今少し投資信託をやっている」ということでお話ししたような気がします。
その方からは「パソコンが詳しくないからよくわからない」というかんじでお断りいただけました。

昔馴染みでよく遊ぶ友人に話した時

<ケース1>
友達とドライブに出かけた時に、勧誘というより「今◯◯でこういう投資をしていて、将来このくらいまで増えたら生活が楽になるからありがたい」というような感じで軽く話したことがあります。
彼は彼で自分の生活の基盤をしっかり仕事で稼いでいたのでそんなに興味を示さなかったような気がします。
そもそも興味がなさそうな反応でしたので、それ以上話さなかったと記憶しています。
彼とは今でも親しく連絡を取り合っています。
<ケース2>
10年くらいの付き合いのある仲の良い友達にも話したことがあります。
最初は普通に聞いていてくれたのですが、ネットワークビジネスであることや、自分が勧誘されているかもしれないと察したあたりから反応の語気が強まりました。
こちらもそれを察して、少しずつ会話を終えようとする方向で話していたのですが、逆に顔を赤らめながら怒りをあらわにされました。
「もうこの話はこれでおしまいにするね」ということで切り上げました。
それほど詳しい話を説明した訳ではありませんが、「ネットワークビジネス」と「投資」という2つのキーワードが出たあたりから豹変しました。
「マルチのヤバい話」であることを察知しての反応だったと思います。
このような反応が「世間一般でいうところの“普通”の反応」だと思いますし「嫌われる」ということに繋がるのだと思います。
そして、この友人とはそれ以降どことなくギクシャクした感じが生まれてしまい、関係が終わることになりました。
<ケース3>
小学校時代からの付き合いのある友人に話した時のことです。
彼は初めからネットワークビジネスに入る気はないよ、ということ前提で話だけ聞いてくれました。
怒ることもなく、嫌いになることもなく、いつものように聞いてくれていました。
一通り話を聞いてくれて、しばらく経ってからも「この話はやっぱり危険な匂いがするから辞めておいた方がいいよ」と退会を勧めてすらしてくれました。
そして私が「やっぱり詐欺だった」と失敗したことを話したときも笑って聞いてくれました。
何も変わらないこの関係がありがたく思いました。
今でも変わらない友人関係が保てています。
<ケース4>
こちらも付き合いの長い昔馴染みの友達に話した時のことです。
彼だけがこの話に唯一乗り気になってしまいました。
逆に私の方も「信用しすぎてはいけないからね。詐欺の可能性もあるから疑うこともしていてね。」と再三注意は促しました。
そもそもそのようなことを付け加えなければならない営業トークもいかがなものかと思いますが、「やってみようかな」という反応を頂いてしまったため、後日アドバイザーを通し契約し最終的に詐欺となるまで入会し続けてくれていたので、完全に被害者という立場にさせてしまいました。
そして私や私の弟が加害者であるという立場になりました。もちろん私も被害者という立場であるという側面は存在していますが、勧誘して入会までさせてしまった時点で加害者です。その罪は重いです。
その後の彼との関係性はといいますと、ありがたいことにまだ連絡を取り合うことのできる仲でいます。
普通なら縁を切られてもおかしくないでしょうが、従来までの友人関係と変わらず続けることができています。

と、このような感じでした。伝えたのはこの7人だけでした。
「だけ」ととっていいのか「も」というべきなのか判断が難しいところではありますが、本当に、何度も言いますが誘ってしまって申し訳なく思っています。
本気で怒ってくれた方、やめた方がいいよと説いてくれた方、何も聞かなかったことにして今でも友達でいてくれる方、心の底から感謝します。
そして、入会させてしまった友達には謝ることしかできず申し訳ないのと、それでも友達として付き合ってくれていることに感謝しかありません。

ことの顛末が「投資詐欺」だったということも、これだけ後味の悪いものになった一因ではあります。
もしこれが普通の商品だったとしたら、もう少し違う形だったのかもしれません。
ただ、もし今これを読んで下さっている皆さんの中で、マルチの勧誘をしようとしている方、してみえる方がいらっしゃいましたら、「相手の生活や相手の人生を左右してしまう」ことがあるということと「今後のその方との関係が悪くなるリスク(失ってはいけないものを失ってしまうリスク)」があることをしっかりと心に刻んでおいていただければ幸いです。
また、ネットワークビジネスを通して関わりを持った方々とは一切の関係を切りましたし、もう二度と会うこともないと思っています(会いたくないと思っています)。

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