<コラム>

NHKスペシャルで投資詐欺についての特集が放送されていました

若者を狙う借金投資

みなさんこんにちは。
かさごです。

先日NHKスペシャルで投資詐欺に関しての特集が放送されていました。
2023年4月22日(土)の午後10:00から総合テレビで放送されていたもので
NHKスペシャル 若者を狙う“闇の錬金術” ~調査報告 借金投資の罠(わな)~
という番組です。

若者が投資詐欺の被害に遭わないように、こういった番組が放送されることはとても意味があることだと思います。
ただ、今の10代、20代の若者がどのくらいNHKの番組を見ているかは定かではありません。
どちらかというと中年から高齢者くらいの年齢層がこういう番組を見て、「今の若者は〜」とか感じるような番組なのかもしれません。

このような注意喚起ができる番組こそ、もっと若者の目に触れるようなシステムが欲しいと切に願っています。
私自身も放送のタイミングでは見れませんでした。
放送終了後にSNSで番組を知り、NHK+を使って見逃し配信で視聴した次第です。

では今回放送された番組はどのような内容だったのでしょうか?
要約にはなってしまいますが、私の感想も交えながらご紹介させて頂きたいと思います。

若者を狙う“闇の錬金術” ~調査報告 借金投資の罠(わな)~の内容と感想

最近の投資詐欺事件の動向

昨今、政府としても国策としてNISAなどを用いた投資を促していて世間一般としても投資をした方がいいとう風潮が強まっています。
こうした「投資」が身近に感じられるようになった世の中で若者をターゲットにした投資でトラブルが多発しています。

そのような中で、2022年度の消費者生活センターへの相談件数は3353件もあったそうです。
その半数が10代や20代の若者だというのです。

私自身も投資詐欺に遭ってしまった時は20代でした。
ちょうどそのくらいの年齢が被害に遭いやすいというのも頷けます。
また、消費者生活センターへ相談している人は氷山の一角で、相談できずにいる方々も多くいるのではないかと想像しています。

投資詐欺を行っているグループは「弱みにつけこむ」のがうまいです。
「うまい」というより「セオリー」としてここ何十年も変わっていない、という方が正しいのかもしれません。

給料が低い、生活が厳しい、奨学金(借金)を返したい。
お金に関する苦しみがずっと続く世の中です。
不安しかありません。

不安を抱えて生きている中で投資セミナーに参加したりしてしまうと、セミナー講師の熱量に感化されて「将来安心できるかもしれない」という考えに染まってしまいます。
自分が今抱えている不安や苦しみから解放されるかもしれない、と感じてしまうところから投資詐欺にハマってしまうのです。

では集めたお金は本当に投資で運用されていたのかというと、当然ですがそんなことはなく運用実態はありません。
さらに、お金を渡すときも領収書や契約書もなしで詐欺グループに渡してしまうことも多いので証拠が残りにくいとのことです。

最近の投資詐欺の手口として非常に問題だなと感じたのは「お金を借りさせて、投資の資金にさせる」というものです。
さすがにこれは悪質すぎます。
「相手の人生のことなんかこれっぽっちも考えていない」のだなということが伝わってきます。
犯罪者なので、そもそも相手のことなんて考えないでしょうね。

被害者の中には投資に回すお金を工面するために多額の借金を負い、詐欺だと分かって自分を責めてしまい命を経ってしまった若者もいらっしゃいます。
ものすごく悩んで、苦しんでいたのだと思います。
投資詐欺なんて消えて無くなって欲しい。
本当にそう思います。

番組で取り上げられていた投資詐欺事件について

今回の番組で取り上げられていたのは「ジュビリーエース」の投資詐欺事件でした。
番組で投資セミナーの一部が紹介されていましたが、
セミナー講師の
「日本の銀行にお金を入れていて増えますか?」
「増えるどころかヤバくない?」
という、発言はもうこれまでに何度も聞いてきた常套句です。
煽って不安を掻き立てて、ウチの投資すごいんだよ!と興奮させて、最後に安心させる。
いつものテンプレでした。

このジュビリーエースは総額650億円も集めたそうです。
実際に会員が何人くらいいたとか、一人当たり平均どのくらいの金額を投資していたとかそのあたりまでは言ってはいませんでしたが、数十万から数百万、中には数千万円規模で投資していた方もいるのでは?と想像してしまいます。
勧誘にはやはり若者の将来不安や、金融知識の無さに漬け込んでおこなっていたようです。

このジュビリーエースですが、創業者が外国人で中国に会社があるとされていました。
ですが実際に番組が確認したところ実態がなかったようです。

被害者の中のひとりは、あるとき雑誌に創業者のインタビュー記事が載っていて、それを見せられて「ちゃんとした人なんだ」と信用してしまったという話が出てきましたが、これもよく耳にする手段で「悪い意味でのメディア戦略」です。

ジュビリーエースが取り扱っていた投資案件は暗号資産だったりスポーツにお金を掛けるとしていたようで、100%AIで運用していて絶対に勝てると謳っていたようです。
利率も毎月8%というハイリターンで、そこからしてもう怪しいですよね。

運用実績は専用のウェブサイトで確認でき、増えていくのがわかるようになっていたそうです。
また、勧誘方法にはマルチ商法のようなシステムをとっていて勧誘した人からもバックがあるとしていたのも、この手の話にはつきものです。

入会した会員には複数の金融機関や消費者金融でお金を借りさせて、投資の資金を工面させていたようです。
会員全員にそういうことをしていたとは考えにくいですが、勧められて断れなかった人、夢を見てしまって踊らされてしまった人などは、多額の金額を借りてしまったようです。

そうして工面した投資資金を預けるわけですが、あるとき突然出金できなくなるという事態になります。
会員にしてみれば絶望の縁に立たされます。
「元本を増やせばもっとお金が増えるの早くなるよ」なんて悪魔の囁きです。
借り方まで指南するのは本当に異常です。

2021年11月。
ジュビリーエースの最高幹部を含む7人を逮捕したそうです。
金融商品取引法違反(無登録で投資を勧誘)が逮捕容疑です。
集めたお金は暗号資産に変えていて、あちこち経由させて資金洗浄していました。
暗号資産に変えられてしまっていたことで詐欺罪としての立件が難しく見送られたという話で、いくらお金の流れの把握が難しかったとは言え、「あからさまに詐欺行為をしていたのに証拠不十分で詐欺として立件できないとは!?」とテレビの前で苛立ちを覚えました。

罪としてもあまりにも軽く、最高幹部が執行猶予付き罰金300万円、メンバーも罰金70万円程度ということで、「は??」と開いた口が塞がりません。
犯罪を犯したのにその程度?亡くなった方までみえるのに??
犯罪者に法律が優しすぎなのではとさえ思ってしまいます。

このジュビリーエースの事件の他に似たような投資詐欺として名前だけ紹介されていたのが「フリッチクエスト」と「西山ファーム」です。
フリッチクエストに関しては以前このブログでも取り上げましたので、もしお時間がありましたらご覧ください。

また、TKOの木本さんの投資トラブルの件も触れていてご本人のインタビューも交えながら紹介されていました。

被害に遭わないためにできること

番組でも繰り返し訴えていましたが、

・投資トラブルに巻き込まれたたら消費者ホットライン「188」(いやや)
・弁護士に相談したいときは「法テラス

です。

他にも警察に相談してもいいですし、国民生活センターに相談してもいいです。
頼れるところにどんどん頼りましょう。
抱え込んでしまうことが一番つらいです。

また少しでも投資の話を持ち込まれて「うちは日本には登録していないけど海外で登録しているから大丈夫」という説明をされるのも大丈夫ではないです。
日本で営業するなら日本の許可が必要です。

その事業者がしっかりと日本で営業許可の登録をしているかどうかチェックしましょう。
金融庁のHPで確認ができます。
無登録業者からの勧誘は絶対に受けないようにしましょう。

他にも領収書や契約書を発行しないような業者もダメです。
ただ、中には契約書や説明書がしっかりと作ってある場合もあります。
が、よく読んでみると「?」と感じる部分もあったりしますので、丁寧に読み込んでください。
お金の授受に現金手渡しは論外ですし、よくわからない口座を指定されることもNGですので、絶対にお金を渡さないようにしましょう。

そして繰り返しになりますが、消費者金融などからお金を借りさせて投資を促してくるようなところは絶対にダメです。
お金の借り方をレクチャーしてくることは論外です。
おまけに「お金を借りる目的を偽って借りること」も詐欺罪となります。
詐欺の被害に遭いつつも、自分自身も詐欺を問われる身となってしまうことを理解してください。

何よりもまず、投資詐欺をおこなっているであろう会社やグループの会員にならないことが肝心です。
投資話のきっかけは「友人・知人からお茶や食事に誘われてお店に出向いたら投資の話をされた・・・。」ということが多いです。
これが最初にあるはずです。

ネットワークビジネスの勧誘の手口としてセオリーですので、知識として知っておいてください。
そしてそのような場面に遭遇したら「断る」ことが大切です。

被害者側も過激な行動に出るケースもある

投資詐欺の被害者の多くが若者だということもあり、その一部は過激な行動をとってしまうこともあるようです。
被害に遭ってお金を取られてしまったことへの怒りと憎しみの感情が溢れると、若いだけあって攻撃的になるのも頷けます。

勧誘者側の自宅などへ出向き、威圧的にドア越しにまくしたてるなどをし相手の反応を求めるものです。
これを見ていてとても危険な感じがしました。
気持ちはとてもよくわかります。
ですが一歩間違えて、その先へ進んでしまうと傷害事件に発展し被害者だった立場が加害者に変わってしまう危うさがあるなと思ってしまいました。

しかし、先にも出てきたように自ら命を絶ってしまうような悲しい方へと進んでしまう方もみえます。

被害に遭われた方の、各々の性格によって行動が変わってしまうのでしょうけれども、少しでいいので冷静さをどこかに持っていて欲しいなと思いました。
(そうは言っても冷静でいることの難しさも苦しいほどにわかります。実際その立場になってみるとどうしていいかわからない気持ちを覚えますよね。)

まとめ

投資詐欺事件は無くなるどころか毎年のようにずっと発生し続けています。
悪質さや巧妙さも拍車がかかっていて、それで人生を棒に振ってしまうようなケースもあります。

「個人的に話を持ちかけられた投資の話」は絶対に手をつけてはいけません。
「100%儲かるから!」とか「こんなにすごい投資なんだからやらない手はない」とか、それこそが絶対にやってはいけない投資です。

心が弱っている時に話を持ちかけられて“ふわふわ”っと付いていってしまい、「これこそが自分に巡ってきたチャンスだ!!(青天の霹靂!)」という気持ちに置き換わってしまっていたら、あなたはもう騙されてしまっています。
過去の私がそうでした。

もし投資がやりたいのなら、楽天証券SBI証券自分の力で口座を開設して、自分の手でしっかりと自分の口座に入金して行ってください。
高すぎる配当利回りの数字に踊らされないでください。

国に登録もされていない事業者に振り込んだり手渡ししたりすることは、詐欺師にお金を渡しているということです。

くれぐれもお気をつけください。

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